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「統合失調症」ってどんな病気?

  • 執筆者の写真: キュラスクール
    キュラスクール
  • 2022年3月3日
  • 読了時間: 4分

こんにちは!

障害福祉サービス事業所で看護師をやっています鈴木です!

今日は、普段サービスを提供している中での体験を踏まえて「統合失調症(とうごうしっちょうしょう)」という病気についてわかりやすくご説明いたします!

では、さっそく見ていきましょう!


統合失調症ってどんな病気?


そもそも統合失調症とは、どんな病気でしょうか?

「聞いたことはあるけど…詳しくは知らない」という方がほとんどでしょう。


原因の解明には至っていない病気…

これまでに偉い人たちが様々な研究をしてきましたが、いまだに原因を特定するには至っていないのです。

今までにわかっていることは、遺伝的な要因と環境的な要因によるストレスによって発病する可能性が高いということだけなんです。

「遺伝的?環境的ストレス?」

と思われた方もいらっしゃるでしょう。


遺伝的とは

遺伝的とは、お父さん、お母さん、はたまたおじいちゃん、おばあちゃんがその病気だったとかで同じ統合失調症になってしまうことです。


環境的ストレスとは

環境的ストレスとは、日常のなかでの人間関係や仕事上でのストレスが代表的ですが、これらがずっと続くと心に負担がかかって統合失調症にかかりやすくなってしまいます。


「えっ、それだけ?」

と思われた方も多いでしょう。

私も調べていく中で同じことを思いました…

まだそれだけ解明するのは難しい病気ということなんでしょう。






どんな症状があるの?


「先のことをすごく考えてしまう」ことって誰にでもありますよね。

統合失調症の方は誰よりも考えてしまい、不安感がものすごく強くなります。

その考えや強い不安感を抱えられなくなり、対応しきれなくなると発症するといわれています。


出てくる症状として「幻聴」や「幻覚」です。その結果、被害妄想となり、周りに全部知られている感覚になってしまいます。常にプライバシーが守られていない状況を想像してみてください。考えられないくらい辛いですよね。。。


幻聴とは

幻聴とは周りの人には聞こえないのに、自分だけ聞こえてくることをいいます。

また、人の声だけではなく、物音も聞こえてくる事もあります。


幻視とは

幻視とは、実際に見えないものが見えている状態をいいます。

いるはずもない人や虫などが統合失調症の人には見えてしまうことがあります。


他にもこんな症状が出る

自分の考えが他人に筒抜けになると感じてしまう

体中に配線を入れられているように感じてしまう

意欲が出なくて活動が落ちる

感情の起伏がなくなる

ちょっとしたことの考えがまとまらなくなってしまう

ずっと緊張している

顔の表情も硬くなったり、しかめっ面になったり、口をとがらせたり、眉をひそめたり。急に笑ったりすることもみられたりします。。。


これでは自分が自分ではなくなってしまい、どんどんやる気もなくなって、笑顔が消えてしまいます。








どんな対応が望ましいの?


話すときは少し距離をとる!


私たちは、話すときの距離は少しだけ遠めにとることを意識しています。統合失調症をお持ちの利用者様と関係性が出来ていないときに距離が近いと、怖さを感じさせてしまう事があるからです。

そして、接するときはあまり眼を見ないことが大切です。なんでって感じる人もいるかと思いますが、じっと見る事は攻撃的に感じさせてしまうことがあるので、細かな事かもしれませんがとても大事なスキルの1つですね。


幻聴が聞こえてきて辛いときは、普段どうやって対処しているか、今もそれが出来そうか利用者様に確認してみます。そして、「私はわからないんだけど、不思議なことだよね。でもずっと続くことはないと思うよ!」みたいな感じに返事をしてます。


自分や他の人を傷つけるような命令をする幻聴・妄想に対しては、「それが間違っていたら大変な事になるから、しないでね!」とお伝えします。いけないことははっきりと伝えています。


不安・不眠・過労・孤立は幻の声を強くしてしまうため、細かなヒアリングを実施して徐々に改善できるよう支援に取り組んでいます。


薬に対しても被害妄想が強いと「これには毒が入ってるだろ!」などの言葉が聞かれることもありますが「体調が心配で、今、すごく大事な時だと思うし、本当は毒なんて入っていないから大丈夫なんですよ」と声をかけてあげて安心を与える工夫も大切です。





治療は?


薬物療法

不安に対するお薬や、眠れない方には睡眠薬、幻覚や幻聴があるかたにはそれに合った精神のお薬を飲んでもらっての治療をしていきます。


心理教育

病気や治療を正しく理解してもらい、難しい状況を自分自身で乗り越えることができるようになる治療法の1つです。


社会生活技能訓練(SST)

人との関わり方や、病気や治療への向き合い方、ストレスがかかった時の対処の仕方を覚えていき、自信をつけていきます。




統合失調症の症状や状況に合わせ、継続的に治療していくことが大切です。



まとめ

本人が継続的に治療できることが重要になてきます。ご家族や周りの関わる方たちがこの病気について理解することもとても大切なことです。統合失調症を抱えている方の病気を知ることで、その人が少しでも安心して生活できるように支えてあげましょう!


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