「双極性障害」とは?
- キュラスクール
- 2022年3月1日
- 読了時間: 4分
皆さんは「双極性障害(そうきょくせいしょうがい)」という病気をご存知でしょうか?
日本で双極性障害の割合は、約0.7%と言われていますので、「知らない」「聞いたことはあるけどよく知らない」という方がほとんどかもしれません。
この「双極性障害(そうきょくせいしょうがい)」は、以前「躁(そう)うつ病」という名前で呼ばれていました。
こちらの方が聞き馴染みがあるかも知れませんね。
今回は、この「双極性障害(そうきょくせいしょうがい)」という病気がどんな病気なのかについて分かりやすくご紹介致します。
双極性障害は「躁状態」と「鬱(うつ)状態」を繰り返す病気

双極性障害は、「躁(そう)状態」と「鬱(うつ)状態」を繰り返す病気です。
躁(そう)状態、鬱(うつ)状態がどういう状態なのかをご説明致します。
躁(そう)状態とは?
躁(そう)状態になると以下のような行動をとる傾向にあります。
威張って偉そうになる
怒りっぽくなる
活発に活動し寝なくても平気
ずっと喋り続ける
などです。
上記の例は一例ですが、とにかくハイテンションで元気!!
その上で、普段ならしないようなことをしてしまう状態を「躁(そう)状態」と言います。
鬱状態とは?
では次に「鬱(うつ)状態」とは、どういう状態のことを言うのでしょうか?
鬱(うつ)は、落ち込んでいる状態です。
他にも、
眠れない
何もやる気が出ない
などがみられる状態です。
このように、躁(そう)と鬱(うつ)の2つの状態が交互に繰り返し起きる病気を「双極性障害(そうきょくせいしょうがい)」と言うのです!
双極性障害の原因は不明
現在までに、この「双極性障害(そうきょくせいしょうがい)」について多くの偉い人が研究をしていますが、まだはっきりとした原因は分かっていないのです。
原因がはっきりと分かれば、もっと効果的な治療法が見つかるかも知れませんが、今のところは難しいのかも知れませんね…
今後解明されて、この病気で苦しんでいる多くの方が救われる事を願うばかりです。
治療法

では、現在の「双極性障害(そうきょくせいしょうがい)」に対する治療法についてご紹介致します。
治療法は、大きく分けて2つ!
「薬物療法」と「心理社会的治療」です。
では、それぞれについて詳しくみていきましょう!
薬物療法
薬物療法では、気分を安定させるお薬と、抗精神病薬があります。
抗精神病薬がどんなものかというと、以下のような効果があります。
幻覚や妄想を抑えるか少なくする
興奮を抑える
考えをまとめる
気持ちや神経を和らげる
意欲の減退を改善する
です!
気分安定薬は主に「鬱(うつ)状態」に対して効果があり、抗精神病薬は「躁(そう)状態」に効果があります。
心理・社会的療法
心理・社会的療法は、簡単に言うと
「病気(ここでは、双極性障害)に対する理解を深めて、病気によって現れる様々な症状に上手く対処できる方法を身につけよう!」
という治療法です。
心理・社会的療法には主に3つあります。
「心理教育」「認知行動療法」「生活リズムの安定」です。
では、それぞれについて少し詳しく見ていきましょう。
心理教育
心理教育では、ご自身の病気についての理解を深めようというものです。
まず、双極性障害がどういう病気なのか、治療のための薬はどういうものなのかをきちんと理解することが治療の第一歩だからです。
また、ご自身だけでなく、家族にも理解していただくとより治療の効果があるため家族にも理解と協力を促すことがあります。
認知行動療法
認知行動療法では、鬱(うつ)状態になった時に、自分が陥りやすい考え方のくせを理解し、そのネガティブな考え方を肯定的な考え方に変える練習をしていきます。
もう少し分かりやすくすると、鬱状態では「あー、また〇〇ができなかった」とネガティブに考えがちになりますが、その兆候を自分で理解し(「あっ!自分は今鬱傾向にある」)、できなかったことばかりを考えるのではなく、「△△はできたぞ!」と肯定的に考える練習をするのです。
生活リズムの安定
生活リズムとは、朝起きる時間や寝る時間などの睡眠や、食事、日中の活動、入浴などの活動のことを言います。
これらの活動を行なったり、行わなかったり、時間がバラバラだったりすると生活リズムが安定していないということです。
この生活リズムの狂いが、症状の悪化を引き起こす要因になっていることが研究によってわかってきたので、生活リズムを整えることも重要なのです。
治療中に絶対にやってはいけない断薬!

双極性障害のお薬による治療は、再発予防にも効果があることがわかっています。
また、自分の判断で勝手にお薬を飲むのを辞めてしまうなどの断薬をすると、多くの人が再発をしてしまいます。
なので、ちゃんと治療するためには自分の判断でお薬をやめる事なく飲み続けることが大切です!
もし、お薬について疑問に思ったり、「もう減らしても大丈夫なんじゃ…」と思うことがあったら、自分の判断で中止したり減量したりせず、治療を受けているお医者さんに必ず相談してみましょう!
大切なのでもう一度!
自分で勝手にお薬をやめるのは辞めましょう!
まとめ
今日は、「双極性障害(そうきょくせいしょうがい)」について分かりやすくご説明致しました。
双極性障害は、病気ついてきちんと理解すること、そして早めの治療、治療の継続が大切です。
この記事が少しでも皆さんのお役に立てれば嬉しいです!